独立開業か、勤務かで目指す資格が変わる
マンション管理士と管理業務主任者、試験範囲に共通点が多いこの2つの資格ですが、実務には大きな違いがあります。
簡単に言うと、マンション管理士は独立型、管理業務主任者は勤務型の資格、ということができます。
それぞれの実務について、詳しく見てみましょう。
マンション管理士の実務
マンション管理士のお客さんは、マンションの管理組合です。
分譲マンションに住んでいると分かりますが、何年かに1回は管理組合の理事の役目が回ってきます。
持ち回りなので、嫌でもやらなければならず、苦手意識を持っている人も多いのですね。
そう、マンションの管理組合は、言ってみれば素人の集まり。
そんな素人に対して助言をするのがマンション管理士の仕事です。
具体的には、マンションの管理組合と契約している管理会社のメンテナンスや契約内容が妥当であるか、定時総会のサポートなどを行います。
中でも重要なのは、マンションの寿命さえ左右しかねない、メンテナンスの内容についての助言でしょう。
管理組合の理事の任期はだいたい2年ほど。
2年で交代する役目なので、ほとんどの人がメンテナンスの内容が正しいか判断できるような知識は持っていません。
マンション管理士は、その点をフォローするのが仕事です。
管理業務主任者の実務
一方、管理業務主任者のお客さんは管理会社です。
というか、管理会社の従業員が管理業務主任者という資格を持って、より専門的な仕事をする、というイメージです。
管理業務主任者もマンションの管理組合に対して重要事項の説明などをしますが、あくまで自社(管理会社)の立場に立っての説明です。
もちろん、自社に都合の良いような恣意的な説明をすることはありませんが、
- マンション管理士
→複数の管理会社の契約内容を比較検討し、マンション管理組合に助言できる - 管理業務主任者
→自社の契約内容をマンションの管理組合に説明する
という違いがあります。
2つの資格の比較
この2つの資格を比較してみると、管理業務主任者は会社の中で活躍する資格、ということはイメージしやすいですよね。
では、マンション管理士はどうかというと、マンションの管理組合と顧問契約を結び、会社に属さないで活躍していることが多いようです。
つまり独立開業型の資格です。
たしかに、マンション管理士は特定の管理会社に所属するより、常に中立な立場で助言をしなければならないので、独立開業が向いていると言えます。
まとめると、安定して勤めながら、資格で収入アップを目指すなら管理業務主任者、独立開業して自分で将来を切り開いていくならマンション管理士を目指すと良いでしょう。